甘の弱な君が好き【完】
「明日の体育祭楽しみだね」
お昼休み何も話さない私に、話題を探して何事もないように笑ってくれる黄子ちゃん
明日は黄子ちゃんが転校初日に私に話していた体育祭の日
結局週刊誌の件は鎮火することなく、継続中
「うん、そうだね!」
心配をかけたくなくて精一杯の笑顔を見せた
「ちょっと、トイレ行ってくるね」
そう言って席を立つ
「ん、気をつけてね」
笑って手を振ってくれる黄子ちゃんの前世はきっと天使
私へのいじめが最近ヒートアップしてるから、心配してくれてる
「ありがとう」
教室から出て、トイレに入る
するとすぐに甲高い笑い声と、数人の足音が聞こえてきて、
「さっき、あいつ入って行ったよ〜」
身体が思うように動かない
バレているのは分かっているのに身を縮こませて、固まってしまう
「ってことはここにいるんじゃない〜?」
バンーー、と個室のドアを軽く叩かれて肩が上がる
…逃げられない。