甘の弱な君が好き【完】
怖い。どうしよう。
「いるなら返事しなよ〜」
ゲラゲラ笑う声が頭の中で反響して、荒くなっていく呼吸に遠くなる意識
呼吸を整えるのに必死になっていると、
バシャーーー
「っ、」
突然上から被せられた冷たいものが滴る
バケツいっぱいの水を被せられた
どうしよう頭が回らない。寒い。
「ははっ、いい気味だねー」
「調子に乗んなブス」
ドア越しにそんな暴言をはいて、トイレを出ていく足音がした。
「…もう、だめかもしれない」
呟いてももちろん1人
見事に全身が濡れてしまった私は、このまま黄子ちゃんのもとへ戻るわけにもいかない。
…どうしよう。
とりあえずまだ昼休みが終わるまでは時間があるし、保健室に行ってタオルもらうようにしよう。
決心をしてトイレを出て、保健室へ向かうため人通りの少ない廊下を歩く
こんな姿誰にも見られたくないから人が少なくてよかった…