甘の弱な君が好き【完】

「ほっ、本当に泣きません」



そう言った途端、再び包まれる温もり



「っ、」



なんでまた抱きしめられてるの?




「ほら、これで顔、見えてねえから」



とことん甘く、優しい声が耳元で聞こえて、



「無理すんな。」



って頭を撫でられる



心がほろほろと解けていって、目から勝手に涙が溢れた



「…っ、うう、私がもっとちゃんとしてればっ、」



「…藍のせいじゃない」



「青くんも立派な芸能人だって、私がちゃんと意識してなかったからあんなことにっ、」



「それは青の問題だろ」



「だって…」



私には何もないけど、青くんはきっとあんな報道が出て仕事でも苦労してるはず。



私にはなんてことないって言ってたけど絶対嘘だよ




「はぁーーー…」




大きなため息



…こんな話、聞きたくないよね。



「ごめんなさい。」



呟くと、あっけなく体は離れて、



北浜さんに晒してしまった泣き顔はきっとぐちゃぐちゃだ。
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