甘の弱な君が好き【完】
自然と目が合って、
「ああ、もう…」
今までで一番困ったように眉を下げた北浜さん
また困らせてる…
「はぁ、勘弁しろよ」
そんな言葉を漏らしたかと思えば、
その綺麗な顔がゆっくり近づいてきて。
…え?
なんか、近くない?
そして、そのまま止まることなく、
北浜さんの唇が、私の唇に触れてキスをした
ゆっくり名残惜しそうに離れて、
「…あ、え」
今の何?
胸がうるさくて、どうにかなりそう
やっと焦点のあった北浜さんの表情は、何か悩んでるようだった。
「…泣いてる弱みにつけ込むのは違う、よな」
独り言のように小さな声が聞こえたかと思えば、
「突然悪かった。ごめん」
全ての言葉をぐっと我慢して呑み込んだような、無理矢理作った笑顔を見せた
…どうしてそんな顔するの?
わからない。
助けてくれるのも、このキスも、その笑顔もなんで?