甘の弱な君が好き【完】



橙真side



予鈴がなって藍には保健室に行くように伝えて別れた。



…キスをしてしまった。



泣き顔を見たら、もう抑えられるものも抑えられなかった。理性が効かなくなるってああいうことなんだ。


でも、あの場で告白するのなんて、弱みに漬け込んでるみたいで嫌だった。



それに今のままじゃ、真白が何するか分からないし。




「…橙真さん」



廊下から歩いてきたのは今、一番会いたくない人、青だ。


藍が熱を出して、あれ以来話してない俺たちはどこかぎこちない


「…昼から来たんだな」



「最近ドラマのおかげで、仕事も増えて来たんで」


いつもと変わらないように見えた青の笑顔



…藍はあんなに泣いてたのに。こいつ何も知らないんだな。




「…熱愛出たくせに、呑気だな。」



腹が立って挑発的な言葉を口走る



「知ってるんすね」



「藍、泣いてたぞ」



「え、藍先輩が…?」




俺の言葉に目を丸くさせて、驚いている様子の青
< 203 / 222 >

この作品をシェア

pagetop