甘の弱な君が好き【完】
「前も言いましたけど、有名人なので気を使ったほうがいいと思いますよー」
さっきの鬱憤が晴れない私は、嫌味のように言う
「時間がねぇんだよ」
てめぇと違って暇じゃねぇんだよ、なんてまた悪態をつく。
「まあそれは言えてるよねー」
本当忙しいから、と苦笑いの樟葉さん。
「うわぁ、羨ましいっす」
芸能コース唯一の皆勤賞らしい青くんは羨ましがってる。
「てか、そんなお守りつけてたっけ?」
真っ黒なリュックに、やけに目立つオレンジのお守りが目に入ったらしい
「あー…これは、」
「あれ、藍ちゃんとお揃いじゃん」
机の上に置いてあった私のカバンを指差す。