甘の弱な君が好き【完】
すると、私を通りに抜けて何かの固体が飛んでいって、青くんの頬へクリティカルヒットした
「いってぇ!何するんすか」
ポトンと、床に落ちたのは消しゴム
それを投げたのは、
「…つまんねえ話してねぇで、早く教えろ」
意味がわからんないくらい不機嫌な北浜さんが投げたらしい。
後輩に消しゴム投げるなんて何事…
…どこまで俺様なのよ。
「あらあら、橙真怒っちゃったねぇ」
にこにこと笑う樟葉さん
確かに忙しい中英語を教えてもらおうとしてるのに、雑談ばかりしているからイライラしたのかな。
確か夜も仕事あるって言ってたし。こんな話してる余裕ないよね。
「橙真さん、嫉妬してます?」
挑発するような青くんの発言
嫉妬…?何に?
「あ?んなわねねぇだろ。寝言は寝てから言え。」
眉毛がぴくぴくと上下して、威嚇したような低い声
あーあ、なんかさらに機嫌悪くなったよ…
「そ、じゃあ勉強しましょ!」
青くんは北浜さんを不機嫌にするだけさせて、一瞬で切り替えて勉強モードに入ってしまった。
私は隣からひしひしと感じる不機嫌オーラを知らないふりしながら、勉強を教えることに徹した。