甘の弱な君が好き【完】
予定より少し早めに着いた集合場所
都心からは少し外れた郊外の駅集合にしたからか、人はそんなにいない。
その中に明らかに煌めいたオーラを放つ人物
「あ、いた」
キャップを深めに被って、太い黒縁のメガネをしているのにオーラは隠せていない。
服装だって、白いTシャツに、色の薄いデニム、細いゴールドのネックレスのみなのにあんなにかっこいいなんて…
よし!笑顔で!がんばれ私!
いざ、北浜さんのもとへ踏み出そうとした時、
「北浜橙真ですね。ちょっと張ってみますか」
「そうですね」
隣にいたカメラを持っているおじさん2人組
カメラを構えて始めた。
「あれって…パパラッチ?」
あ、そうか。
また私、忘れてたや。
北浜さんって、アイドルなんだ。
今私が駆け寄って、撮られたりでもしたらとんでもないことになる。
軽率だった。外で2人で会うなんて、許されるはずがない。それが別にやましい関係ではなくても。