何度生まれ変わっても ─心臓病の幼馴染と過ごした日々─
第三章
決意
息が上がる。
足が重い。
頭がぼーっとしてきた。
でも、碧に会って話をしたいという一心から、力を振り絞ってスタッフルームに向かって歩く郁。
しかし、すぐに床に膝をついてしまう。
いつからこんな体力が無くなったんだろう、と郁は不甲斐なさを感じる。
病室の心電図のアラーム音で郁が病室を抜け出したことに気づいた藤井と矢野が、廊下でうずくまる郁を見つける。
「郁ちゃん!何してるの!?」
「…お願い…します…竹内先生に…合わせて…」
郁が騒ぎを聞きつけた碧が、息を切らせ、走ってやってきた。
「…郁!何してんだ!」
「碧…先生…今まで…ごめんなさい…」
碧に抱えられ、すぐに病室のベッドに連れ戻される郁。
すぐに酸素を吸入させられる。
「…先生、酸素飽和度が、上がりません」
「酸素マックスで流して!…これ以上下がったら危険だから、挿管の準備もしておいて!」
慌ただしくなる病室。
多数の医師と看護師に囲まれ、処置を受ける郁。
「…私…忘れてて…碧くんを…こまらせて…」
「いいからもうそれ以上喋んな!」
珍しく感情を露わにして怒鳴る碧。
「手術…うける…」
郁の言葉に、碧は耳を疑う。
「昔、約束…したもんね…碧くん…」
「…!郁!…もしかして、思い出したのか…?」
「……たすけて、あお…おねがい…」
瞼が閉じられようとする。
「…郁!目を開けろ!郁!」
完全に意識を失う郁。
徐々に、脈拍数が低下してきた。
「…郁!郁!!……矢野先生、このままだと危険です!今からすぐオペを行います」
「…よし…わかった!みんな、今から緊急オペを行う!藤井さん、オペ室に連絡して!碧、お前が執刀しろ。」
「わかりました!」
自分の役割を思い出し、冷静さを取り戻す碧。
今にも消えそうな鼓動とともに、郁はオペ室に運ばれていった。
足が重い。
頭がぼーっとしてきた。
でも、碧に会って話をしたいという一心から、力を振り絞ってスタッフルームに向かって歩く郁。
しかし、すぐに床に膝をついてしまう。
いつからこんな体力が無くなったんだろう、と郁は不甲斐なさを感じる。
病室の心電図のアラーム音で郁が病室を抜け出したことに気づいた藤井と矢野が、廊下でうずくまる郁を見つける。
「郁ちゃん!何してるの!?」
「…お願い…します…竹内先生に…合わせて…」
郁が騒ぎを聞きつけた碧が、息を切らせ、走ってやってきた。
「…郁!何してんだ!」
「碧…先生…今まで…ごめんなさい…」
碧に抱えられ、すぐに病室のベッドに連れ戻される郁。
すぐに酸素を吸入させられる。
「…先生、酸素飽和度が、上がりません」
「酸素マックスで流して!…これ以上下がったら危険だから、挿管の準備もしておいて!」
慌ただしくなる病室。
多数の医師と看護師に囲まれ、処置を受ける郁。
「…私…忘れてて…碧くんを…こまらせて…」
「いいからもうそれ以上喋んな!」
珍しく感情を露わにして怒鳴る碧。
「手術…うける…」
郁の言葉に、碧は耳を疑う。
「昔、約束…したもんね…碧くん…」
「…!郁!…もしかして、思い出したのか…?」
「……たすけて、あお…おねがい…」
瞼が閉じられようとする。
「…郁!目を開けろ!郁!」
完全に意識を失う郁。
徐々に、脈拍数が低下してきた。
「…郁!郁!!……矢野先生、このままだと危険です!今からすぐオペを行います」
「…よし…わかった!みんな、今から緊急オペを行う!藤井さん、オペ室に連絡して!碧、お前が執刀しろ。」
「わかりました!」
自分の役割を思い出し、冷静さを取り戻す碧。
今にも消えそうな鼓動とともに、郁はオペ室に運ばれていった。