何度生まれ変わっても ─心臓病の幼馴染と過ごした日々─
「…!そんなわけないに決まってるだろ!」

碧は、郁の手首を持ち、郁をベッドに押し倒した。

「その傷は、大好きな郁に生きてほしいから俺がつけた傷だ!そして、大切な人が、生きるために頑張った証だ。傷もひっくるめて、郁を愛してる」

「郁に、大切な人の命が何度も目の前で消えかける気持ちはわかるか!?疲れてる郁に俺のワガママでさらに無理をさせて、それで体調を崩したりしたら、俺は一生後悔するし、郁にも後悔させると思って、郁を抱かないようにしてたんだ!」

「碧…ごめんなさい」

碧の隠していた本音を聞き、涙ぐむ郁。

「…でも、私は碧とひとつになりたい。せっかく命をもらって生まれ変わったんだもん、心から愛する人と、繋がりたい」

「心臓をもらっても、免疫力を下げてるせいで、私が人よりも長く生きられないことはわかってる…だからこそ、今まで自分ができなかったことをたくさんして、死ぬ時に後悔ないようにして生きていきたいの。ただ長く生きるために、何もせずに生きるのは嫌だ。」

「郁…」

真剣な眼差しを、碧に向ける郁。

「…郁、本当にいいんだな?」

「碧、お願い」


郁の服を脱がせ、胸の傷を撫で、キスをする碧。


入院中よりも少しだけふっくらとした体だが、まだまだとても華奢で壊れそうな体。
折ってしまったこともあった肋骨を撫でる。

これまであまり日光に当たってこなかった、色白の陶器のような肌。

碧に体中を触られ、キスをされる。

郁が小さな悲鳴を何度も上げ、頬が上気し、息が上がっていく。


もう以前の郁とは違うと思ってはいても、心配になる碧。

しかし、郁の潤んだ瞳、美しい唇、薄い桃色の乳首に、医師としての理性が飛ぶ。

「…もう我慢できない…」

郁と碧は、その晩、激しく、何度も体を重ね合った。
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