何度生まれ変わっても ─心臓病の幼馴染と過ごした日々─
郁が仕事を始めて1年半が過ぎた郁の24歳の誕生日。

郁は、碧から横浜旅行に行こうと誘われた。

昼からクルーズを楽しみ、夜は郁が初めて見るものがたくさん並ぶ、様々な趣向を凝らした美味しい中華料理を食べた。

宿泊する夜景がきれいな高層ホテルに付き、シャワーを浴びて、大きなふかふかのベッドに顔を埋める郁。

「はぁ…幸せ」

その時、インターフォンが鳴り、ルームサービスのシャンパンと、誕生日ケーキが運ばれてきた。

照れてはにかんだ笑顔の郁。


碧が口を開く。

「郁。お誕生日おめでとう」

そう告げると、碧は小さな箱を取り出し、郁の目の前で開ける。

中には、ダイヤモンドが輝く指輪が入っていた。

「…これって…」

「郁。俺と結婚してほしい。」

まっすぐに郁の目を見つめる碧。

「…碧、とってもとっても嬉しいけど…こんな私でいいの…?碧よりも、長生きはできないんだよ?」

涙を溜める郁を抱きしめる碧。

「郁じゃないとダメなんだ。俺の奥さんになってほしい」

「碧、ありがとう…よろしくお願いします」

郁の指に指輪をつける碧。
2人は固く抱きしめ合った。

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