何度生まれ変わっても ─心臓病の幼馴染と過ごした日々─
それから、郁と碧は話し合った。
結婚式はどちらでもいいという郁だったが、ごく親しい友人達と、アメリカにいる碧の両親ら、お世話になった人たちを招き、簡単な式を行うこととなった。
次に、子供のこと。
碧は、郁の体のこともあり、慎重になっていたが、子供が大好きな郁は子供を欲しがった。
「もし許してくれるなら、大好きな碧の子供が産みたい。せっかくもらった命も繋いでいきたい」
「うーん…俺も郁との子供はもちろん欲しいけど……幸い、今飲んでいる薬は、妊娠中に飲んではいけない薬ではないんだ。でも、妊娠中や出産後はどうしても風邪を引きやすくなるし、主治医としては不安だな。」
「…子供を持つなら、お願いがある。妊娠したら、今以上に無理をしないこと。妊娠したら、仕事は一旦辞めた方がいいと思う」
条件付きではあったが、子供を持つことに賛成する碧だった。
「わかった、それでもいい。…ありがとう、碧。私を奥さんにしてくれて。母親にもなれるかもしれないなんて、私、本当に幸せ」
「絶対無理はしないこと。約束な。俺の大切な、可愛い奥様」
キスをする2人。
ベッドの中で微笑み合い、体を重ね、何度も2人は愛し合った。プロポーズされてから1ヶ月後、郁は碧と入籍した。