何度生まれ変わっても ─心臓病の幼馴染と過ごした日々─
─10分前─

循環器科の看護師が息を切らせて、碧の元に走る。

「ER(救急救命室)から連絡です!当科に先天性心疾患で定期通院中の17歳の患者が、心肺停止の状態で救急に運ばれてきます!至急救急に応援にきて欲しいとのことです!」

「心肺停止…!?まずいな。わかりました、すぐ向かいます。」

走り出そうとした瞬間、ふと看護師が持っているカルテの患者名に目をやった碧は、一瞬体が固まる。

「清水 郁…?」

「はい、前任の前田先生が診ていた子で、今月の検診から先生の担当患者になる予定でした。先生はまだ会ったことが無いと思いますが…お知り合いですか?」

「…いや、人違いかな…すみません、行ってきます!」

嫌な汗をかきながら、碧はERへと走った。





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