夜華の先に
ーー……

黒爽(こくそう)

それは、全国3位の歴史ある暴走族である。

透はそんな黒爽の12代目の総長だ。


私があの日、走って走って、着いた場所は黒爽の倉庫だった。


サラくんは黒爽の副総長。

すーちゃんはそんな、サラくんの彼女だ。

すーちゃんと、倉庫に一緒に行って遊んだり、透と話したり、それなりに楽しい毎日を送っていた。

だけど、そんな、毎日は続かず、

ーーまた、私の前は暗くなったのだ。




透の両親と妹が交通事故で亡くなったのだ。

透は誰よりも家族を愛して、大切にしていた。


その場にいなかった、何もできなかった自分を責めて…


それをきっかけに透は荒れてしまったのだ。


私の話なんて、一切耳を傾けない、酷い時は殴ってきた時もあった。

すーちゃんと、サラくんからは「もう、会うのをやめな」と、何回も言われていた。

でも、好きだったから…


許していた時もあった…


これからも会いたいと思った…

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