夜華の先に
朝ポツポツと降っていた雨は今ではザァザァー降りだ。


殴られたところが雨で染みて、

痛くて…

「ふっ…うっ」


涙が出てしまった。



周りは暗くて、月の明かりだけが光ってて、

あの日と同じだ。

あの、血の雨が降った日と。




ザァーーー

ザァーーー

ゴロゴロ

地面を打ちつける強い雨に、すごい音を立てて落ちる雷。


私だけポツンと、人がいなくなったみたいだった。


髪の毛や、制服からポタポタと水が落ちてくる。


寒い……

その場で、しゃがんで、ガクガクと震える足をギュッと両手で押さえた。




私はそのまま意識を手放した。



「大丈夫かぁー?」


なんて、誰かが助けてくれたことなんて知らずに。
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