夜華の先に
私がソファーで寝れば良かった…

なんで…

知らない人にここまでできるのだろうか、


透もだ…

あの時、楓夜みたいに家ではなかったけど、 黒爽の倉庫にある唯一の布団を譲ってくれて…

私が怖い思いをしないように手を繋いで、私が寝るまで一緒にいてくれて、

家族のいない私に『寂しくなったらおいで』って、

来た時はいつも、頭を撫でてくれて…





あー、てか私まだ、透のこと好きじゃん…



ここ数日熱で考える暇なんてなかったけど、

私はその場でしゃがんだとたん目から涙がどんどん出てくる。


あーー


止まれ止まれ止まれ、

なんて、思っても私の目は止まってくれない。


「うっ、、」

楓夜が寝てるんだ、声を出してないて泣いたら起きてしまうかもしれない。
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