夜華の先に
私の前を歩く楓夜に、「ご飯食べる?さきお風呂入る?」

楓夜はくるっと振り返って、私を見て、「なんか、新婚さんみてぇだな」

なんて、言いながら「ハハ」と笑う楓夜


「な、何言って、、」

顔がみるみる赤くなっていくのが自分でもわかる。

「それ、あんな他の人に見せんなよ、先お風呂入るわ」

と、言って洗面所にスタスタと行ってしまった。


『他の人に見せんなよ』…ど、どうゆう意味、?

顔が熱いったら仕方がない。


私はキッチンに行き、水道を捻った。

水道から出た冷たい水を顔にバシャバシャとかけた。


すると、

ガチャ

と、鳴るはずの無い玄関を鍵で開けるような音がした。

私は、身構えて玄関の方に目を向けると、

「久しぶりだね、楓華」

そこには、見たく無い、憎い男の顔があった。
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