夜華の先に
その時はそう思っていたけど、その日の夜。

やっぱり気になってしまって、夜中起きて、父親の書斎に向かった。


…「やっ、」


やっぱり、聞こえる実の声。

助けなきゃ…

ゆっくりドアを開けると、音が鳴ってしまって、一気に3人の目線が俺に向いた。


「あ、楓もいいところに来たね」


なんて、怖い顔で笑う母親。


「な、なにやっ、て」

やっと出た声はこれしか出なかった。


「みてわからない?」

なんて、狂った親なんだろうか。

その時そう思った。


それと同時に、こんなやつに楓華は育てられるのか。

「ふ、ふうかに言うよ…みのるに、やめて、」

振り絞っていった、母親と父親が反応しそうな言葉。



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