夜華の先に
高校遠いところにして家を離れようと、一言でも言えば変わっていたかもしれない。

そんなタラレバを考えていたと同時に、あまり好いていなかった両親がいなく亡くなったことに、よかったと感じている俺もいた。

それの気持ちがあったため、両親の葬式には行かなかった。

世間では実が八つ当たりで母親と父親を殺したことになっていた。


こんなのおかしいと思い、実が入った刑務所に行って、実と何回も話した。

そのうちに実が抱えていたことがどれだけ痛くて重いことかを知った俺は、幸いそんなに遠くなかったため、月一で実に会いに行っていた。



そして、一つ気になったのが楓華のことだった。

きっと、今は中学二年生。

1人で暮らすには早い。

だけど、会いに行こうか迷った。

実よりも楓華と遊んだ時間は少ないし、楓華が小学二年生の時に出ていったから、俺を覚えているかがわからなかった。

また、会いにいったら、母親や、父親のような性格をしてたらどうしよう。

そんな怖さからあまり行く気にならなかった。

だけど、楓華が実が八つ当たりで殺したと思っているのであれば母親と父親が同時に亡くなったことで相当ショックを受けているのではないか。


< 52 / 64 >

この作品をシェア

pagetop