年下彼氏は糖度が高め
ヤキモチとキス
「凛子、その首のやつってまさか…」
「なっ…なんでもないから!合コン行くんでしょ!遅刻するから早く…!」
ジト目のひなたを無理やり引っ張り、教室から連れ出す。
「…凛子の彼氏って、淡白そうに見えて実は独占欲の塊みたいな男なんだね」
私の首に貼られた1枚の絆創膏を見ながら、隣を歩くひなたが呟いた。
「…誰のせいだと思ってるの?」
「ひぃっ…!ご、ごめんって〜!!私も凛子みたいな恋がしたかったんだもんっ!!」
ぶわっと泣きそうになるひなたを横目に、思わずため息がでそうになる。
はぁ…やっぱり断ればよかった…。
今更後悔したって後の祭り。
色々あった昼休みを無事に乗り越え、午後の授業を受け終えた私とひなたは、これから行われる合コンの待ち合わせ場所へと移動中。
でも、東都がキスマークを付けたせいで首のアレを隠すために絆創膏を貼るハメになってしまった。
そのおかげで、首の変な位置に絆創膏を貼っている状態。
夏ではないから、「蚊に刺された」とかは通用しないし…。
かといって、「彼氏に付けられたキスマークです」とも言えるわけもなく…。