年下彼氏は糖度が高め
今までで一度だって合コンなんぞに行こうと思ったことがない私からしたら、合コンなんてただの苦行だ。
そりゃあもちろん、ひなたに泣きつかれて思わず了承してしまったことに関しては謝らざるを得ない。
「…本当に、ごめん」
なんて言っても、どうせ駄々こねるに決まって…
「いーよ」
一瞬、自分の耳を疑った。
…今のは、幻聴?
たしか「いーよ」と言われた気がする…けど。
東都の言葉が信じられなくて、思わずじぃっと見つめてしまう。
「あんまし先輩のことソクバクして、重いって思われんのやだし」
「っ…」
こういう発言自体が重いし、もう今更すぎるとも思う。
なのに…東都がいつもより可愛く見えてしまって仕方がない。
「…凛子先輩に嫌われたら、俺死んじゃうの。だからイイコで我慢する」
肩にずしりと重みを感じれば、東都の頭が乗っかていて。
「でも…帰りは迎えに行くから、場所教えて。それくらいはいいでしょ…?」
可愛子ぶってるとわかっていても、胸に刺さった矢が抜けないから困る。
「っ、うん…。それは全然、嬉しい…です」
「ふはっ、なんで敬語」