ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「えっ!? と、今何時……?」
「まだ夜中の一時」
「明日の仕事に響きませんか?」
「予定は午後から入れておいた。君も朝早くはないだろ」

 首筋に唇を寄せ、服の上から柔らかな膨らみに触れる。身体を震わせる依都は、色っぽく瞳を細めながらも「そう、ですけど……」とためらっているようだ。

 初めてなんだろうか。それとも、実は行為が苦手とか? 本気で嫌がっているようには見えないが、念のため確認しておく。

「嫌か? 俺に抱かれるのは」
「違っ」
「ここは嫌がってなさそうだが」

 すぐに首を振って否定してくれたのを嬉しく思いつつ、意地悪な自分が顔を出し、スカートの中に忍ばせた手をショーツまで滑らせる。そこがもう十分に湿っているのはすぐにわかった。

 小さな悲鳴に似た声を漏らして身をよじる依都は、真っ赤になった顔を手で覆う。ショーツの上から焦らすようになぞり、キスを繰り返していると、彼女は観念したのか口を開く。

「んっ、あ……嫌、なんじゃなくて……アレが、ないから」

 たどたどしく紡がれた言葉を聞いて、そういうことかと理解した。「ああ、それなら心配するな」と彼女の髪を撫で、一度ベッドを降りて自分のバッグを漁る。

 少し身体を起こした依都が、取り出した避妊具を見て目を丸くした。

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