ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「ねえ史悠、私いちごが好きなの。いちご酵母でも造れる?」
「とてもいいと思いますよ。風柳さんのイラストにもよく使われていますしね」
「知ってるの? ありがとう! 嬉しい」
ぱあっと笑顔を咲かせて史悠さんの腕に触れる彼女。ちょっとちょっと、どさくさに紛れて触らないでください、人の旦那に!
さすがに喉元まで出かかったものの、それ以上に物申したくなる発言が彼女の口から飛び出す。
「いちごの香りとかつけられないのかしら。若い人にも飲んでもらいたいなら、わかりやすくしたほうがウケがいいんじゃない? 日本酒ってお米さえ使ってればいいんだろうし、もっと美味しいのできるでしょ」
日本酒造りを軽く考えすぎな言葉に、私も社員の皆も思わず絶句した。いくら知識が少ないといえ、これから一緒に商品を作ろうとしている人がこんな意識で大丈夫なのだろうか。
グラスの中で揺れる液体を眺める風柳さんに向けて、無表情だった史悠さんが口元に笑みを浮かべた。
「アイデアを出してくださってありがとうございます。参考にさせていただきます……が」
冷静に答えたかと思いきや、言葉尻で声のトーンが下がり、瞳も相手を怯えさせるほどの冷たいものに変化する。
「とてもいいと思いますよ。風柳さんのイラストにもよく使われていますしね」
「知ってるの? ありがとう! 嬉しい」
ぱあっと笑顔を咲かせて史悠さんの腕に触れる彼女。ちょっとちょっと、どさくさに紛れて触らないでください、人の旦那に!
さすがに喉元まで出かかったものの、それ以上に物申したくなる発言が彼女の口から飛び出す。
「いちごの香りとかつけられないのかしら。若い人にも飲んでもらいたいなら、わかりやすくしたほうがウケがいいんじゃない? 日本酒ってお米さえ使ってればいいんだろうし、もっと美味しいのできるでしょ」
日本酒造りを軽く考えすぎな言葉に、私も社員の皆も思わず絶句した。いくら知識が少ないといえ、これから一緒に商品を作ろうとしている人がこんな意識で大丈夫なのだろうか。
グラスの中で揺れる液体を眺める風柳さんに向けて、無表情だった史悠さんが口元に笑みを浮かべた。
「アイデアを出してくださってありがとうございます。参考にさせていただきます……が」
冷静に答えたかと思いきや、言葉尻で声のトーンが下がり、瞳も相手を怯えさせるほどの冷たいものに変化する。