ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
変わらぬ愛を宣言する日
依都と初めて険悪なムードになった翌日。いつものように工場の様子をひと通り確認して社長室に戻ってきた俺は、デスクチェアに深く腰かけて息を吐き出した。
しばらくすると「社長、休憩しましょう」と波多野がやってきて、レストランでテイクアウトしたらしいふたり分の弁当を応接テーブルに用意し始めた。俺の様子がおかしかったのに気づき、話を聞こうとしたらしい。
俺も悶々としていたので、洋食のおせちといった感じの豪華な弁当をいただきながらかいつまんで話す。
依都は密会していたわけではなかったが、悩みがあったのに俺に黙っていたことと、それを凛太朗くんは知っていたことを。
出張先のホテルで会食をしている最中、波多野から【依都さんが見知らぬ男性といるんですが!】とメッセージが送られてきて目を疑った。
添付されていた写真を見ておそらく凛太朗くんだろうとわかり、ほっとしたのは一瞬ですぐにイラ立ちが募った。まるで恋人かのごとく、依都の頬に触れていたから。
波多野の話ではふたりでバイクに乗って帰っていったというし、身体が密着していたと考えるだけで腸が煮えくり返りそうになる。依都の様子を見る限り、特にやましい行いはしていないようだが、腹が立って仕方ない。