ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「……そんなことをしても、依都が困るだけでしょう。ただの自己満足でしかない」
どうやら告白する気はないようで、彼は窓の向こうに目をやって本音を吐露し始める。
「告白しようかと迷った時もありました。でももしそうしたとして、依都が今と変わらない笑顔を俺に向けてくれる未来が、どうしても想像できなかった。だから、〝従兄として〟あいつを好きな感情を表に出して満足するようになっていたんです」
やはり凛太朗くんも葛藤していたらしい。告白しないのは勇気がないからじゃなく、依都の気持ちを考えてのことなのだ。
その瞳が、思いのほか穏やかな色を湛えてこちらに向けられる。
「依都が御鏡さんと出会って、本気で恋に落ちたのが嫌ってほどわかります。正直ほっとした部分もあるんですよ。いい加減に想いを捨てる覚悟ができたので。まあ、あなたはいけ好かないですけどね」
「承知しています」
いたずらっぽく口の端を上げて答えると、凛太朗くんはふっと小さく笑った。彼が俺に対して笑みを浮かべるのは初めてで、少しだけ和む。
「いろいろと、御鏡さんのおかげってことにしておきます。俺の気持ちまで汲んでくれて、ありがとうございます」
姿勢を正して頭を下げる彼は、本当に人がいい。従兄でなければ危うかっただろうなと思いつつ、にこりと笑ってみせる。
どうやら告白する気はないようで、彼は窓の向こうに目をやって本音を吐露し始める。
「告白しようかと迷った時もありました。でももしそうしたとして、依都が今と変わらない笑顔を俺に向けてくれる未来が、どうしても想像できなかった。だから、〝従兄として〟あいつを好きな感情を表に出して満足するようになっていたんです」
やはり凛太朗くんも葛藤していたらしい。告白しないのは勇気がないからじゃなく、依都の気持ちを考えてのことなのだ。
その瞳が、思いのほか穏やかな色を湛えてこちらに向けられる。
「依都が御鏡さんと出会って、本気で恋に落ちたのが嫌ってほどわかります。正直ほっとした部分もあるんですよ。いい加減に想いを捨てる覚悟ができたので。まあ、あなたはいけ好かないですけどね」
「承知しています」
いたずらっぽく口の端を上げて答えると、凛太朗くんはふっと小さく笑った。彼が俺に対して笑みを浮かべるのは初めてで、少しだけ和む。
「いろいろと、御鏡さんのおかげってことにしておきます。俺の気持ちまで汲んでくれて、ありがとうございます」
姿勢を正して頭を下げる彼は、本当に人がいい。従兄でなければ危うかっただろうなと思いつつ、にこりと笑ってみせる。