ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
「私はそんなにお人好しではありませんよ。早く依都に振られて、次のお相手を見つけてほしかっただけですので」
「……やっぱあんた嫌い」
微笑みと不釣り合いな薄情な発言をする俺に、凛太朗くんは仏頂面になって悪態をついた。俺たちのこういう関係は、まだしばらく変わらなさそうだ。
用は済んだので切り上げようとしたものの、今度は凛太朗くんが話を振ってくる。
「それより、千笑さんをなんとかしてやってくださいね。依都が困ってますから」
意外な名前が飛び出して、俺は眉根を寄せた。
「凛太朗くんも風柳さんと知り合いなのか?」
「子ども食堂にたまにボランティアで来てくれるんです。自分の欲に忠実ではあるけど、人の旦那を奪おうとするほど強欲な人ではないと思っていたから……ちょっとショックです」
どうやら、俺よりも風柳さんとの付き合いは長そうだ。凛太朗くんも、最近の彼女は行き過ぎていると感じているのかもしれない。
「ご心配なく。きっちりカタはつけるんで」
「あと、もうひとつ!」
腰を上げようとする俺に、彼が待ったをかけた。なにやら複雑そうな表情で、「迷ったんですけど、御鏡さんには言っておいたほうがいいと思うので」と前置きをする。
一体なんだろうかと、再び腰を据えて耳を傾けた。
「……やっぱあんた嫌い」
微笑みと不釣り合いな薄情な発言をする俺に、凛太朗くんは仏頂面になって悪態をついた。俺たちのこういう関係は、まだしばらく変わらなさそうだ。
用は済んだので切り上げようとしたものの、今度は凛太朗くんが話を振ってくる。
「それより、千笑さんをなんとかしてやってくださいね。依都が困ってますから」
意外な名前が飛び出して、俺は眉根を寄せた。
「凛太朗くんも風柳さんと知り合いなのか?」
「子ども食堂にたまにボランティアで来てくれるんです。自分の欲に忠実ではあるけど、人の旦那を奪おうとするほど強欲な人ではないと思っていたから……ちょっとショックです」
どうやら、俺よりも風柳さんとの付き合いは長そうだ。凛太朗くんも、最近の彼女は行き過ぎていると感じているのかもしれない。
「ご心配なく。きっちりカタはつけるんで」
「あと、もうひとつ!」
腰を上げようとする俺に、彼が待ったをかけた。なにやら複雑そうな表情で、「迷ったんですけど、御鏡さんには言っておいたほうがいいと思うので」と前置きをする。
一体なんだろうかと、再び腰を据えて耳を傾けた。