ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
あの子、確か風柳さんの息子の楽くんよね? マネージャーさんが連れていて、会が始まる少し前に社員さんたちと一緒に私も挨拶をしたのだ。
どうしてこんなところにひとりで……と不思議に思っていると、楽くんはごほごほと咳き込み始めた。
漠然と嫌な予感がして降ろしたほうがいいと咄嗟に判断し、私はエレベーターに駆け寄って「すみません!」と言いながら彼の小さな手を引っ張った。
お客さんたちに不審がられていそうだけれど、扉はすぐに閉まる。それを横目に、私はしゃがんで彼と目線を合わせる。
「楽くん、こんなところでどうしたの? 大丈夫?」
彼はなにかを答えようと口を開けるも、咳が出てしまって言葉にならない。風邪をひいているのだろうか、少しつらそうで心配になる。
なにかいい方法は……と思案してすぐに、のど飴を持っていることを思い出した。ひとまず近くにあったひとり掛けのソファに座らせ、ハンドバッグの中を探る。
「飴、舐めない? ちょっとは喉がラクになるかも」
包み紙を取って小さな口に入れてあげた。そして、よくなるようにと祈りながら優しく背中をさする。
どうしてこんなところにひとりで……と不思議に思っていると、楽くんはごほごほと咳き込み始めた。
漠然と嫌な予感がして降ろしたほうがいいと咄嗟に判断し、私はエレベーターに駆け寄って「すみません!」と言いながら彼の小さな手を引っ張った。
お客さんたちに不審がられていそうだけれど、扉はすぐに閉まる。それを横目に、私はしゃがんで彼と目線を合わせる。
「楽くん、こんなところでどうしたの? 大丈夫?」
彼はなにかを答えようと口を開けるも、咳が出てしまって言葉にならない。風邪をひいているのだろうか、少しつらそうで心配になる。
なにかいい方法は……と思案してすぐに、のど飴を持っていることを思い出した。ひとまず近くにあったひとり掛けのソファに座らせ、ハンドバッグの中を探る。
「飴、舐めない? ちょっとは喉がラクになるかも」
包み紙を取って小さな口に入れてあげた。そして、よくなるようにと祈りながら優しく背中をさする。