ドSな御曹司は今夜も新妻だけを愛したい~子づくりは溺愛のあとで~
たぶん、これまで私の存在が邪魔になっていて、お互いに意識するまでに至らなかったのだと思う。私がいなかったら、もっと早くにふたりの仲が進展していたかもしれない。
そう考えると申し訳ない気持ちになるけれど、その分ふたりの幸せのためにできることはしてあげたい。私もふたりに支えてもらったように。
私の横では波多野さんが嬉しそうに史悠さんと話していて、雫もそちらに挨拶をする。彼女と波多野さんが自己紹介し合っている隙に、私は凛くんにこそっと告げる。
「凛くん、雫のことよろしくね」
「え?」
「今も、凛くんの頭に真っ先に思い浮かぶのはうるさいギャル、なんでしょう?」
ぴたっと動きを止める彼に、さらに小声で続ける。
「雫が最初に助っ人でしいじに入った時、あの子の着物姿に見惚れちゃってたし」
意味ありげに口角を上げて言うと、凛くんはあからさまに目を泳がせた。
私が御鏡酒造に行く時、代わりに雫が着物を着て接客をしているのだが、その初日に私たちは驚いたのだ。
着物に合わせて髪は品のあるシニヨンに、メイクもナチュラルにしてきた彼女は、普段のギャルのイメージとはまったく違う雰囲気に変身していたから。
そう考えると申し訳ない気持ちになるけれど、その分ふたりの幸せのためにできることはしてあげたい。私もふたりに支えてもらったように。
私の横では波多野さんが嬉しそうに史悠さんと話していて、雫もそちらに挨拶をする。彼女と波多野さんが自己紹介し合っている隙に、私は凛くんにこそっと告げる。
「凛くん、雫のことよろしくね」
「え?」
「今も、凛くんの頭に真っ先に思い浮かぶのはうるさいギャル、なんでしょう?」
ぴたっと動きを止める彼に、さらに小声で続ける。
「雫が最初に助っ人でしいじに入った時、あの子の着物姿に見惚れちゃってたし」
意味ありげに口角を上げて言うと、凛くんはあからさまに目を泳がせた。
私が御鏡酒造に行く時、代わりに雫が着物を着て接客をしているのだが、その初日に私たちは驚いたのだ。
着物に合わせて髪は品のあるシニヨンに、メイクもナチュラルにしてきた彼女は、普段のギャルのイメージとはまったく違う雰囲気に変身していたから。