【電子書籍化】婚約者と親友に裏切られて殺された聖女はアンデッドとして蘇ります!〜冥王様と共に絶望をお届けする予定ですけど……覚悟はいいですか?〜
ヴィヴィアンは自分の治療を諦めてベルナデットに手を伸ばす。
しかしベルナデットはヴィヴィアンの手を取ることなく、口元を両手で押さえて目を見開いているだけだった。
力なくヴィヴィアンの腕が地面に落ちる。
「ベルナデット、さま……この国を、ジェラール、殿下をっ、お願いします」
「わかっているわ!大丈夫、安心して。わたくし達に全てを任せて……早く休んでちょうだい?」
「よか、った……」
安心感から体の力が抜けていく。
ジェラールがヴィヴィアンの頭を撫でていることがわかった。
ヴィヴィアンが瞼を閉じると頬から涙が伝う。
ジェラールの指が、ヴィヴィアンの頬を優しく拭ったような気がした。
(よかった……大変な人生だったけど、最後に大好きな二人の役に立てた)
自分がいなくなってもヴィヴィアンが信頼している二人ならば、きっといい国を作ってくれるだろう。
ヴィヴィアンが目を閉じていたが、なかなか意識が途切れることはない。
聖女の力を使って無意識に体を治しているのだろうが、今のタイミングで逝けなければどうすればいいのだろう。
(あーあ、ジェラール殿下との結婚式、楽しみにしていたのに……。国王陛下はすぐにでも式を挙げたいと言ったけど、マイロンお兄様やお父様が反対するんだもの。聖女服じゃなくて素敵なドレスを着てみたかったのにな)
しかしベルナデットはヴィヴィアンの手を取ることなく、口元を両手で押さえて目を見開いているだけだった。
力なくヴィヴィアンの腕が地面に落ちる。
「ベルナデット、さま……この国を、ジェラール、殿下をっ、お願いします」
「わかっているわ!大丈夫、安心して。わたくし達に全てを任せて……早く休んでちょうだい?」
「よか、った……」
安心感から体の力が抜けていく。
ジェラールがヴィヴィアンの頭を撫でていることがわかった。
ヴィヴィアンが瞼を閉じると頬から涙が伝う。
ジェラールの指が、ヴィヴィアンの頬を優しく拭ったような気がした。
(よかった……大変な人生だったけど、最後に大好きな二人の役に立てた)
自分がいなくなってもヴィヴィアンが信頼している二人ならば、きっといい国を作ってくれるだろう。
ヴィヴィアンが目を閉じていたが、なかなか意識が途切れることはない。
聖女の力を使って無意識に体を治しているのだろうが、今のタイミングで逝けなければどうすればいいのだろう。
(あーあ、ジェラール殿下との結婚式、楽しみにしていたのに……。国王陛下はすぐにでも式を挙げたいと言ったけど、マイロンお兄様やお父様が反対するんだもの。聖女服じゃなくて素敵なドレスを着てみたかったのにな)