【電子書籍化】婚約者と親友に裏切られて殺された聖女はアンデッドとして蘇ります!〜冥王様と共に絶望をお届けする予定ですけど……覚悟はいいですか?〜
白紙に戻る……それはジェラールとヴィヴィアンの婚約のことだろう。


「ヴィヴィアンに病を治してもらったからと、後ろ盾になっていたラームシルド公爵も、もう死んだ頃だろう?スタンレー公爵に頼んで毒を盛ったことはバレていないはずだ……マイロンは厄介だが、今はそれどころではあるまい」

「えぇ。マイロン・ラームシルドは本当に嫌な存在よね。だけど、お父様がうまく圧力を掛けてくれるはずよ。潰れるのも時間の問題じゃないかしら」

「本当にアイツは厄介なやつだ。ラームシルド公爵も孤児院出身の子供を養女として迎え入れるなんて頭がいかれてる」

「ありえないわよ。同じ公爵令嬢だと思われたくないわ」


ジェラールとベルナデットの話の内容を理解した瞬間、ヴィヴィアンの全身にブワリと鳥肌が立った。
恐怖や絶望で頭がパニックになっていた。

(そんな……お父様を毒殺!?マイロンお兄様を潰そうとしているってどういうことなの。まさか、わたしにお父様を治療させないために……?お父様とマイロンお兄様は無事なの!?)

徐々に体がうまく動かせなくなっていくが、感覚は妙に研ぎ澄まされていた。
ただ一つだけわかったことは二人はヴィヴィアンに隠れて、愛を育み逢瀬を繰り返していたということだ。
そして二人は結ばれるために、邪魔者を消している。
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