【電子書籍化】婚約者と親友に裏切られて殺された聖女はアンデッドとして蘇ります!〜冥王様と共に絶望をお届けする予定ですけど……覚悟はいいですか?〜
そう言い聞かせて心を強く保とうとしていた。
動物のアンデッド達もヴィヴィアンの真似をしているのか、瓦礫を集めている。
先ほどモネの髪飾りを持ってきてくれた狼も懸命に材料を集めてくれたのか、大きな枝をもってきてヴィヴィアンの前に置いた。
「みんな、ありがとう……」
ヴィヴィアンの心が温かくなる。
こうして誰かがそばにいてくれることが嬉しいと感じる。
今度は心から笑顔になれた気がした。
「がんばらないとね」と、ヴィヴィアンが気合いを入れながらそう声を上げようとした時だった。
「屋敷にくればいい」
サミュエルの呟くように言った一言にヴィヴィアンは目を見開いた。
ヴィヴィアンが振り返ると、サミュエルは真っ直ぐにこちらを見ている。
やはり先ほど言った言葉は聞き間違いではないようだ。
すかさずキーンが何か言おうとしたのをアーロが口を塞いで引き留めている。
「……屋敷に?」
「ああ」
「わたしが、屋敷にいてもいいのですか?」
「このような場面を見て放ってはおけない。それに古い屋敷でも、ここで野宿するよりはいいのではないのか?」
「…………!」
「もちろん、どうしてもここがいいと言うならば止めはしないが……」