墜愛
ソファに腰掛ける私の横に、綾人も腰掛ける。
背もたれに肘をかけて、私の方に顔を向けてきた。
見つめ合って、視線を交える。
まっすぐ見つめてくる綾人の目線に、
目の奥まで覗かれてるような気がして、
ドキドキが、止まらない。
「俺、麗蘭から見ると細マッチョ?それとも、麗蘭好みの、程よいマッチョ?」
「服着てたら、よくわかんないよ。」
「それ、脱げってこと?」
「な…!そんなこと言ってな──」
両手を振りながら全力で否定したのに、
綾人は構わず、
着ていたTシャツとタンクトップを、
その場で脱いだ。
襟ぐりから頭を抜き、乱れた髪に指を通す仕草が、
とても、色っぽい。
「どう?」
彼の上半身は、胸板が厚くて、程よく腹筋も見えて…
まさに私の好み、どストライク。
薄暗い部屋の中で見る、彼の薄褐色の肌に、
夕日の橙色の光が映える。
盛り上がった筋肉が、肌の上で陰影を作って、
ますます、色っぽい。