時と姿を変えた恋
五歳下の健司はまだ三歳。いたずら盛りだ。今日は私が朝から早樹にかかりきり。そのせいもあって、ちょっかいをかけて邪魔をしようとする。ママを取り戻すためだ。
私は早樹の髪の毛を編み込んでアップにするとドレスと同じ色のリボンを付けた。そして、立ち上がらせると健司に引っ張られて取れたウエストのリボンを後ろで結び直してやった。
今日は朝から夫は健司の守り役を頼んだが、とにかくいつもと違う姉の様子にテンションが上がっていたずらばかりしている。
「もう、健司サイテー。ママ、直してね」
「なんか、随分とおしゃれさんになったのね。そのリップはどうしたの?何か塗ってるでしょ?」
「うん、リカちゃんに借りたの。いい匂いだし、可愛いでしょ?チェリーピンクなんだよ」
「ふーん。少しチェリーの香りがするけどこれのせい?」
「違うよ。合わせて口紅みたいになってる香りのスティックも借りたの。それを付けたんだ?いい匂いでしょ?」
「うーん。いつもと違う匂いで気が散らない?大丈夫なの?」
「え?それどころかすごく気持ちいいし、頑張れる」