時と姿を変えた恋

「そうですね、なんか、不思議……」

「何が?」

「うーん、少しタイムスリップ」

「そうだな」

 そう言うと、彼は近くの個室があるレストランに案内してくれた。懐かしい、よくふたりで行った店に似ている。

「……ここ、もしかして」

「ああ、お前とよく行った店の系列店だ。まあ、あれから十年近く経っているからな、少し似ている程度だが、雰囲気は変わらないな」

「そうですね」

 向かい合って座ると、彼は背広を脱いだ。少し太った?

 そうだよね、でも男盛りだ。色気が本当に増した気がするのはどうしてだろう。

 じっと見つめていた私の視線を迎えた彼は、ニヤリとした。
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