時と姿を変えた恋

「どうした?今頃、惚れ直したか?」

「……志田さん」

「お前、あれからすっかり俺のことなんて忘れようとしていただろ?一度も誘いに乗らなかったな。かなりがっかりだった」

「……だって、会ったら……」

「会ったら、なんだ?でも、今回はお前も積極的に俺に会おうとしてくれただろ」

「そうですね。懐かしくて……あと、少し変わられた気がして気になったんです」

 彼はメニューから目を上げて、私を見た。鋭い目。その目も変わった。注文をタブレットで入力した。

「そうだな。あのタイミングでお前に会えたのは運命かもしれないと俺は思ったんだ。だから、無理をして翌週のピアノ教室の送りを妻と代わった」

「……奥様に代わった理由をなんて言ったんですか?送りなんてやったことあったの?」
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