時と姿を変えた恋
「ないな。だが、その日は代休を取った。だから、俺が送り迎えをすると行ったんだ。そしたら、彼女はいそいそと出かけたよ」
「……え?」
「まあ、いい。お前のところは二人目離れてるな」
「そうですね、なかなか授からなくて、ようやく出来たら五歳も離れてしまいました」
「……旦那は少し老けたか?昔見たときよりは太ったな」
「ふふふ。そうですね、ハッキリ言ってそうですよ。志田さんも少しは太ったんじゃないですか?でも相変わらず鍛えてそうだけど」
「まあな」
「その二の腕の筋肉、相変わらずですね」
すると、腕を伸ばして私の手首を引っ張った。そして、ぎゅっとつかんで離した。