時と姿を変えた恋
顔を上げて私を見て笑った。そのまま肩を抱かれて後ろのベンチへ座ると、覆い被さるようにして彼はキスをしてきた。
「……ん、あ」
「は……やっと、だ。長かった」
「ダメです。だめよ……」
「何がダメだ?ここまで俺に会いに来たくせに……今更なんだよ」
「だって、志田さんが心配だったの。なんか、様子が違うから……」
「長い間会ってなかったんだ。違って当たり前だ」
そう言われたらそうなんだけど、何かが違う。こんな投げやりな人じゃなかった。
キスも強引で、余裕がないような、何かが違うと感じた。
彼の胸を押し返すと、目の前を歩く人が見えた。そこで私達は我に返った。