時と姿を変えた恋

「私も志田さんの存在は特別だった。どうしてもっと早く会えなかったのかなとか思ったことがあった。でも、人の幸せを踏み潰して何かを得ても、絶対あとで後悔する。それなら、来世がいい」

「お前、ほんとロマンチックだな。俺は適当な流行の言い訳かと思ってた。まあ、告白してもらったみたいで嬉しかったけどな」

「そうですか?私、結構人見知りで夢見がちなんです。人には知られたくなくてガードしてますけど」

「知ってるよ。もろいのもね。だから、側にいたかった」

 志田さん。今の顔は昔と同じだ。

「よかった。志田さん、昔と同じ顔に戻った……」

「お前……」

 彼の方を向いて言った。

「もし、ですよ。今日、そういう関係になってしまっていたら、私、おそらく来世はあなたと一緒になりたいとは思わなくなります。だって、昔の志田さんは強引なことはしないし、私の気持ちを大切にしてくださった」
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