時と姿を変えた恋

「……そうか?勇気がなかっただけだ」

「そうじゃない。奥様のことも志田さんの頭の隅にあることわかっていた。だからでしょ?今は奥様へ報復のために私を手に入れようとしているだけ。本当の私が欲しいわけじゃないと思う」

「そんなことはない。再会したお前も母親になって別な形で綺麗になっていた。惹かれたよ」

「嘘ばかり。あの頃の私は若くて、恋をたくさんしていて、きっと綺麗だったと思う。それは自分が一番良くわかってます。今は恋なんてできないし、自分に鍵をかけている」

「はあ。まあ、いい。たまに、酒か食事に誘ってもいいか?それならいいんだろ?」

「そうですね。子供達が大きくなれば、夜も少しは出かけられると思います」

「三枝」

「え?」

「今でも、あのメモ有効か?子供もいる今、旦那と来世も一緒になりたいんじゃないのか?」
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