時と姿を変えた恋

衝撃の展開

 
 あれから、二十年。娘の早樹は二十八歳になった。

 そして、それは突然だった。

「ママ、彼を紹介します。志田拓也君。ねえ、覚えてる?昔、ピアノ教室で一緒だったんだよ」

「お久しぶりです。志田です」

 夫の伸吾が出かけているときにママだけに彼を会わせたいと言って、早樹は彼氏を家に連れてきた。

 それがまさか……どうして?志田先輩とはあれっきりだ。彼はうちの娘と息子さんが付き合っているのを知っているの?

 そして、何より驚いた。昔の彼に面影がよく似ている。それだけじゃない、声変わりした声がそっくりなのだ。

 私は衝撃のあまり、声を失った。顔色も変わったんだろう。

 何も言わなくなって固まっている私を見て、早樹は不機嫌になった。

「もう、ママ失礼だよ。何なの?」

「え?、ああ、お久しぶりです。早樹、拓也君があまりに格好よすぎて息が止まっちゃったよ」
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