時と姿を変えた恋
「それで、おばさんは別な人と結婚して家庭があって子供もいる。おじさんは独身なんだよね?」
「はい。再婚してもいいよと言ったんですけど、なんだかんだで僕のためにおそらく結婚しないでくれていたんだと思います」
「そうなの。家事とかは?」
「最初は、父方の祖母が手伝ってくれていて、父もまめな人なので、料理も出来るから僕と一緒に段々とやるようになりました」
「そうなの。だから、拓也君は家事の出来る男なのよ!最高でしょ?」
「はあ……そうね。がさつな早樹にぴったんこ。イケメンで何でも出来る拓也君はこんな早樹のどこがいいの?」
「ママ、ひどい!」
「彼女は僕の顔色をすぐ見て、いつも心配してくれます。そして、悩みを共有して、自分のことのように考えてくれる。そういう人です。気配りの人なんです」
「……!」
私は口を押さえて、下を向いた。昔、彼が私に言った言葉とそっくりだ。なんてことだろう。