好きな人と暮らす初めての日
　そして彼もごはんを食べ始める。

　次にスプーンに持ち替え、スープを飲む。
少し味が濃いような気もするが、こちらも美味しい。小さくカットされた野菜は火がしっかり通っていて柔らかい。

　パンは彼が手で持って食べているのを見て、それに倣い私も手で持って食べる。
　さくっとした食感で、表面にはバターが塗られていてとても美味しい。

　食事なんて今までしようとも思ったことがないが、こんなに美味しいのならいいかもしれない。
　それに食事というのはこんなにも心が満たされるものだとは思っていなかった。

　彼が作ってくれたということで、何割増しで美味しく感じているのかもしれないが、とても美味しくてあっという間に食べ終えてしまう。


「ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした」


　既に食べ終わっていた彼はそう言って食器をキッチンに持っていく。

　私もそれに倣って食器を持っていくと、彼がありがとうと言って、頭を撫でてくる。
　それを嬉しく思いながら彼を見ていると、食器を洗い始めた。
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