好きな人と暮らす初めての日
「私も何かできることある? リュカのお手伝いしたい」
「ありがとう。じゃあ、俺が洗った食器拭いてもらってもいい?」
「うん、わかった」
彼に頼まれたことが嬉しくて、リュカの隣でにこにこしながら洗い終わるのを待つことにする。
「……っ、可愛い」
何か彼が言った気がするが、よく聞こえなかった。
まあ、いいかと気にせずに待っていると、彼が洗い終わった食器を渡してくる。
それを落として割ってしまわないように慎重に拭く。
一枚拭き終わる頃には、水切りかごの中には食器が溜まっていた。
早く拭かないとと慌てるが、急いで食器を割ったらいけないと思い、また慎重に拭く。
「流し終わったから、俺も拭くの手伝うよ」
私が食器を二枚拭いている間に彼の作業は終わったらしい。
折角彼の役に立てるかもと思ったのに、あまり役に立てなかったと少し落ち込む。