好きな人と暮らす初めての日

「もうそろそろ支度しないと、時間に間に合わなくなるから風呂に入ってくる。少しだけ待ってて」


 私をソファに座らせると、彼は浴室に向かう。

 何もかもが目新しいので辺りを見渡していると、大きな窓が目に入る。
 窓からは雲一つない綺麗な青空が見えた。木々は生き生きとしていて、葉が太陽の光できらきらと輝いていた。

 そのままぼー、と窓の外を見ていると、彼がお風呂から上がってくる。


「お待たせ。俺は支度済んだけど、リーベはまだ何かすることある?」

「私も大丈夫」

「なら、出かけようか」


 外に出ると、彼が私の手を繋いでくる。
 私も彼の手を握り返す。

 昨日も見たとはいえ、やはり外の景色は新鮮で辺りをきょろきょろと見てしまう。


「リーベ楽しそうだね」

「うん、どれも新鮮で見ているだけですごく楽しい」


 そう言う私を彼は微笑ましそうに見ていた。
 道中リュカの知り合いが何人か話しかけてきて警戒するが、彼の知り合いだということもあって皆いい人達だった。
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