好きな人と暮らす初めての日

「量少ないんじゃない?」

 頼んだものを持って席に着くと、隣に座る彼に心配された。

 朝ごはんを食べて満腹感は感じたので、お腹が満たされていることには変わりない。
 けど、食事は生きるためにというよりも、娯楽としての方が私的には意味合いが強いので、量はそんなに関係ないことを伝える。


「そうだった。ついそのこと忘れちゃうんだよな」


「私のことを思って言ってくれたんだもんね。ありがとう」

「本当にラブラブね。なんだか羨ましいわ」


 私のテーブルを挟んで向いに座るキャロルさんが笑顔を浮かべながら言う。


「らぶらぶ?」

「リーベとリュカがお互いに想いあって、愛し合ってるってことよ」

「私とリュカはらぶらぶ」


 なんだか嬉しくて笑みがこぼれる。
 今まで彼との関係のよさを表すのに“仲良し”という言葉しか知らなかったけど、“らぶらぶ”の方が合っている気がする。

 幸せな気持ちのまま、私はたまごサンドに口をつける。
 卵とパンが合っていて、とても美味しい。
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