好きな人と暮らす初めての日
「ノアム少尉は奥さんとこうやって、いちゃいちゃするんですか?」
私たちのやりとりを微笑ましそうに見ながら静かに食事をしていたノアムさんに、キャロルさんが尋ねる。
奥さんということは、ノアムさんは結婚している。
結婚したということはノアムさんと奥さんは夫婦。
夫婦になるということは家族になるということ。
いつか私もリュカとそうなれたらいいなと思う。
「ここまでじゃないが、まあ、それなりには」
「えー、そうなんですね。例えば、どんな感じなんですか? 少尉、奥さんのこととか、結婚生活の話とか全然しないから興味あります」
「俺のことはいいだろう。そうだ、用があったのを思い出した」
そう言って、ノアムさんはすごい速さでごはんを平らげる。
まだそこそこ量が残っていたのにすごい。
キャロルさんはそんなノアムさんを不満気に見ている。
「では、失礼する。休憩を上がったら、また俺の部屋に来てくれ。いなくても勝手に入っていい」
足早にノアムさんが去っていく。
そんなノアムさんを見て、キャロルさんが不満そうに呟く。
「本当にあの人、奥さんとのこと話してくれないんだから」
「きっと気恥ずかしいんだろ」
「興味あるのになぁ」
ノアムさんがいなくなったことで不満そうにしていたキャロルさんだが、何か思いついたような表情を浮かべる。