好きな人と暮らす初めての日
 手持ち無沙汰になったので、彼に映像とは何かを尋ねる。


「写真はわかるよね?」

「うん、絵みたいなものでしょ?」

「そう。簡単に言えば、写真の動く版が映像かな。実際に見た方がわかるだろうし、帰ったら一緒に見ようか」

「うん、わかった」


 わかったとは言ったが、もしかして一緒に見るというのは、私のものなのではないだろうか。
 私は自分のそんな映像は見たくないので、それを彼に伝えようとするとイアンさんが戻ってくる。


「お待たせ。はい、約束の」


 イアンさんが彼に宝石のようなキラキラした石を渡す。

 これで映像が見れるのだろうか。
 一体どうやって見るのだろう。

 不思議に思ってそれを見ていると、イアンさんと話を済ませた彼がこちらに笑いかけてくる。


「じゃあ、用も済んだし帰ろう。疲れてるのに、色々付き合わせてごめんね」

「ううん、大丈夫」


 そのままイアンさんに挨拶をし帰ろうとするが、まだお礼を言っていなかったことを思い出し、歩き始めようとする彼を止める。
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