好きな人と暮らす初めての日
彼とイアンさんは不思議そうに私を見る。
「あの、イアンさん。昨日は運んでくれたのもそうですし、リュカの目が覚めるまで話し相手になってもらいありがとうございました」
「ああ、そんなの気にしないで。リーベと話すの楽しかったし。また話し相手になってくれたら嬉しいな」
「はい、私もまたお話ししたいです」
イアンさんが私の頭を撫でてくる。
彼はむっ、とした表情を浮かべるが、何も言わないで私とイアンさんを見ている。
私はそんな彼を不思議に思いながら見ると、ぎゅっと手を握ってくる。
変なリュカと思うが、気にせずにイアンさんと挨拶をして今度こそ別れる。
私が疲れてるだろうということで、どこにも寄らずまっすぐ彼の家に帰る。
本当はそこまで疲れている訳ではないが、彼の気遣いが嬉しかったのでそうすることにした。