好きな人と暮らす初めての日

「映像ってすごいね。動きから音まで鮮明に入ってて魅入っちゃった」

「楽しそうで可愛い」


 彼が私を見て楽しそうに笑う。
 まあ、私も楽しいしいいかと気にせず話を続ける。


「ねえ、あの犬ってリュカが飼ってるの? この家にはいないみたいだけど」

「昔ね。今はもう亡くなってるんだ」

「そっか、私も会ってみたいなって思ったから残念だな」

「ルナ可愛かっただろ。すごい人懐っこい子だったから、生きてたらリーベにもすぐ懐いてたと思うよ」

「そうだったら嬉しいな」


 絵でしか犬を見たことがなかったので、実物ではないものの本物の犬を見れて嬉しかった。
 彼もすごく可愛がっていたようだし、生きていたのなら会ってみたかった。

 そんなことを思ってると、彼が私に声をかけて映像が映し出される宝石のような石を片付けに行った。
 そして戻ってきてソファに座ることなく、私に再度声をかけてくる。
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