好きな人と暮らす初めての日
「俺夜ご飯作ってくるから、少し待ってて」
「ううん、私も手伝うよ」
「リーベがそう言ってくれるのは嬉しいけど、今日は休んでて」
私の頭を撫でて彼が言う。
手伝いの申し出を断られて不満そうにしている私に、彼は優しく笑いかける。
「明日からまた色々頼むから、今日はもうゆっくりしてて? きっと気づいてないだけで疲れてるだろうから」
彼が私の体を心配して言っているのがわかったので、渋々それを了承する。
彼はキッチンに行ってしまい離れてしまったが、ここからでも見えるので、リュカのことを見る。
彼はてきぱきと具材や調理器具を用意している。
「そんなに見られると照れるな」
私が見ていることに気づいたようで、はにかみながら言う。
そんなところに少し可愛いと思った。
かっこいいとはいつも思っているが、可愛いとは思ったことがなかったので、自分に驚きながら彼を見る。
「気にしないで続けて」
そう伝えると、彼は一度こちらに笑いかけてから準備に戻る。
そうして彼を見ていると、リュカの言っていた通り気づいていなかったが疲れていたようで、眠気が襲ってくる。
それに誘われるまま眠りにつく。